ISO9001構築のテクニック

7.5 文書管理(その1 文書管理の基本)

 ISOの構築、運用の中で、一番気を使うのが、この規格項目かと思います。94年版をご存知の方は、昔大変だったことを思い出されたのではないでしょうか。

 私は、この項目については、94年版から軽い運用が出来るように心がけてまいりました。当時から、私が関わる企業さんの文書は、他の会社さんより、ズット少なかったと思っています。「手抜きの中野」と言われる理由です。誤解しないでください。簡単にしてはいますが、要求事項は決して外していません。親切な方は、「中野さん、効率の中野と言った方がいいよ」と言ってくださり、最近では、そのように言っております。横道にそれてしまいました。申し訳ありません。
 さて、文書管理には台帳が必要、番号が必要とISO規格には書いてありません。大きな企業さんでは必要かと思いますが、少ない規模の企業さんでは不要かと思います。原本に、配付先、日付、数を書いてコピーすれば台帳は不要です。改訂の際に、その配付先がわかり旧版を回収できますから。ただし、必要な場合もあるので(例えば、原本に記入が出来ない場合など)、一応、文書管理台帳、外部文書管理台帳の様式はあった方が良いと思います。

 なお、この台帳自体を文書管理されたり、記録としての管理をしなければいけないと思われている企業さんがあります。規格は台帳を文書管理、又は記録管理しなさいとは要求していません。ただし、そのような管理をするのは間違いではありません。
 いずれにしても、この規格の主旨(仕事をするときは、適切な版を使用しなさい)を理解して運用することが大切だと思います。
 なお、参考までに、私がご提案する、文書管理台帳、及び外部文書管理台帳の様式(文書としての管理はしないフリー様式)のサンプルをご紹介致します。品質マネジメントシステム、環境マネジメントシステム、どちらでも使えるようになっています。