ISO9001構築のテクニック

9.2 内部監査(その4 プロセスアプローチによる有効性の監査)

 監査、及びチェックリストで気づくのが、規格項目ごとに実施、作成する事の多いことです。構築後間もない場合は、規格項目に適合しているかという適合性主体となるのはやむを得ないと思います。仕組み自体も未完成(未熟)であり、監査員も最初なので適合性重視の方がやりやすいと思います。しかし、取得後時間が経過してきた場合は、有効性主体の監査に切り替えていくべきです。適合性主体の監査では、指摘事項もなくなり、マンネリ化するからです。

 そもそも、ISOの導入の目的は、標準化、責任と権限の明確化といったどちらかというと適合性を意識した要素もありますが、企業にとって役に立たなければ意味がありません。役に立つということは、費用対効果がでること、つまり、売上増加、コスト削減、要員の意識向上などといった効果が出ることです。
 有効性主体の監査を実施するためには、①この仕事のやり方で良いのか、②責任者はこのままで良いか、③監査の目的を明確にする(コストダウンのために!売上を増加するために!)といった監査が必要になります。なかなか、有効性を狙った監査を見ることは少ないですが、是非、心がけて頂きたいと思います。